「興味があるのは君だけだから」

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必死で慰めてくれる雪乃に晴久はかすかに心が救われた。 同時に、とても可愛らしく思い、一生懸命に言葉を探して百面相になっている雪乃に想いを抑えきれなくなる。 「細川さんのことは信用しています。一緒にいて迷惑なことはひとつもありません。ですから、今夜もうちに泊まって下さい」 「……でも」 「暗い部屋にひとりにはできません。一緒にいましょう」 少し強引に口説いた晴久だが、電気が買えなかった雪乃にももうそれ以外の選択肢はない。 小さな声で「じゃあ、お願いします」と呟き、晴久と並んで真っ暗な道を歩き出した。
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