「俺に下心がないと思う?」

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「で、誰?」 皆子に再度小声で聞かれ、雪乃は今度こそ誤魔化しきれないと観念し、うつ向いた。 「言えません……。私の一方的な片思いですし……」 「えー、そうなの? 知りたかったなぁ。……どうしても駄目?」 「ごめんなさい皆子さん……いつもお話聞いてもらってるのに……」 実際はただ好奇心で聞き出しているだけだったが、健気に謝る雪乃に同性ながら胸がトキめいた皆子。 デスクの引き出しを開け、小さな缶から銀紙に包まれたチョコレートをひとつ取って雪乃のデスクへ転がした。 「いいよいいよ。男の人が苦手な雪乃ちゃんに好きな人ができたってだけで、まずは嬉しいから。それお祝いね」 「わ……ありがとうございます」 小さなチョコレートひとつで目を細めて喜ぶ雪乃を見て、皆子も頬杖をついて微笑んだ。 「雪乃ちゃんは性格も良いし、顔はもちろん言うことなしなんだから。素直になれば上手くいくと思うよ。自信持って」 「……頑張ってみます!」
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