「俺に下心がないと思う?」

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◇◇◇ 終業後、晴久は雪乃と午後六時半にカフェで落ち合うと、二人で晴久の家へ。 途中、夕食はどうするかという話になり、お礼に用意したいという雪乃の提案で自宅近くのスーパーへ寄った。 「高杉さん、食べられないものはありますか」 「いや、何でも食べるよ」 帰宅すると、雪乃は食材の入ったエコバッグを晴久から受け取るとひとまずキッチンに置き、使うものは調理台に、使わないものは冷蔵庫へと片付け始める。 「調味料とか何も揃ってなくてごめん。全然料理しないから」 「いえ。家にあったものを少し持ってきているので大丈夫ですよ。男の人は機会がないと作らないですよね。コンビニやお弁当屋さんも充実してますし」 「何か手伝おうか」 「これは泊めていただくお礼なので、今日はおまかせ下さい」 エプロンの紐を後ろで縛りながら、雪乃は笑った。 晴久は新婚みたいだと俗なことを考えないよう、ソファへ引っ込む。 彼女を急かさないためにも、ノートパソコンを開いて持ち帰った仕事を始めた。
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