「俺に下心がないと思う?」

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この子はわざとこんなことを言っているのか? と思ったが、彼女の必死さを見れば本気だと疑う余地はなかった。 少し乱れたパジャマの雪乃は、すでに最中のような無防備な姿をしている。 カッと湧いてくる好奇心や征服欲を抑えるために、晴久は肩で息をした。 「晴久さん?」 「こんな状態で……男にそんなことを言ったら駄目だよ」 「……私では駄目ですか?」 「まさか。正直、できるなら今すぐ抱きたいよ。でもこういうことは無理をして頑張らなくていいんだ」 「無理してないです。晴久さんになら……」 また!と晴久が咎めようとしたが、雪乃は本気だった。 緊張しつつも彼女は何も考えずに口走っているわけではない、それが分かった晴久は、再び重心を傾けていく。 「本当にいいの?」 「……はい」 ぶつかる息に熱が帯び始めた。 ここまで言わせたら、今度は何もしないわけにはいかない。 両手を握って押さえてみても嫌がる素振りのない雪乃に、ついに顔を落とし、ゆっくりと口付けた。 「……震えてる」 「すみません……」 晴久は離した後、もしかしてキスも初めて?と聞くことはしなかった。 これ以上興奮させられると手加減ができなくなる。 女性不信になる前はそれなりに経験があった晴久も、それがなくなってもう五年。 女性を抱くことは本当に久しぶりなのだ。 それも好みの素顔、男なら誰でも触れたくなるような体、しかも今夜が初めてという初心な雪乃を目の前にすると、まるで盛りのついた狼のような気分になる。
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