「今夜は優しくできそうにない」

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「今夜は優しくできそうにない」

◇◇◇ それから二日後の、金曜の夜。 二人は仕事終わりにいつものカフェで待ち合わせ、ミツハシデンキへ寄った。 荷物を取りに行くときに不便なため、やはり蛍光灯を購入したのである。 それを晴久が雪乃の家に取り付けてから、二人で晴久の自宅へと向かった。 食事、シャワーを終え、いつものように二人でベッドに入る。 一度は二人で平行に寝る姿勢をとるのだが、すぐに我慢できなくなった晴久が彼女の頬を指で撫でた。 「……ごめん雪乃。控えようとは思ってるんだけど……」 腕をついて体を起こした晴久は彼女の唇に触れ、口をつけた。 「晴久さん……」 「まずいよな、こんな何回も」 晴久は自嘲気味に言ったが、視線は彼女に許可を求めるものだった。 彼女を初めて抱いた日、晴久は結局我を忘れるくらいに夢中になった。 もちろん手酷いことはせずに終始優しくしたものの、雪乃の余裕のない表情に煽られ続け、言い様のない幸福感で満たされたのだ。 あれから一日も置かずに、彼女を抱いている。 せめて初日の次は置こうと思っていたのにキスだけではとても収まらず、応えてくれる雪乃に甘えてずるずると続けていた。
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