「今夜は優しくできそうにない」

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雪乃は愛しさが堪えきれず、晴久の胸の中に抱きついた。 びくともしないが、ありたっけの力でギュウギュウと彼を締め付ける。 「……雪乃。可愛い」 抱きしめ返し頭を撫でる晴久に、雪乃はさらに甘えた視線を向けた。 「……晴久さん……」 柔らかそうな唇に晴久の喉がゴクリと鳴る。 「ここじゃこれ以上できないよ。外だからね」 「……そうですよね……」 「でも帰ったら覚悟して」 ゾクッと甘い痺れが走った後、雪乃は顔を熱くして頷いた。 家に着く頃、二人は限界だった。 玄関に入るまでは寄り添うだけに留めていた体を、扉が閉まった途端に絡ませ、電気も点けないまま晴久は雪乃をリビングのソファに押し付けた。 「晴久さんっ……シャワーを浴びてから……」 「……ごめん、待てないっ」 お互いにここまで燃えるような恋を経験したことはなく、かき乱すキスをして気持ちをぶつけ合う。 手探りで雪乃の服を剥ぎ取っていき、いつもの丁寧な手順を少し飛ばして、強引に彼女の足を開いた。 我慢の限界だった晴久は、肩が上下するほどの息をしている。 「雪乃、ごめん……今夜は優しくできそうにない」 彼女の脚の間に腰を割り込ませた晴久は、そこで一度止めた。 許可を求める視線を彼女へ向ける。 それを受けた雪乃は彼の首に腕を伸ばして抱きつくと、体重をかけて引き寄せた。 「大丈夫です……私、晴久さんになら、何をされても」 熱い瞳に飲み込まれた晴久は、頭を彼女の胸へと沈め、狼のように貪った。
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