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恋煩い ③
「じゃあ、鋭いついでに言わせていただいてもいいですか?」
「ん?」
「前の彼氏さんと別れられて正解です‼︎」
「え⁉︎」
今度は蓮が驚きの目で、林を見た。
「私達の大切なチーフに、あんな悲しそうな顔ばかりさせる人は、最低です!」
そう言い切ると、林は仕事場で見せたことのないような笑みを浮かる。
「頑張ってください。もし飲み仲間さんに言えないことがあって、私で良ければいつでも相談してください!」
「!…ありがとう…頼りにしてる」
今まで、恋の相談なんてしてきたことがなかった蓮だったが、年下の、しかも部下からの応援が嬉しくてたまらなく…
「じゃあ、初めてのはじめての相談させてもらっていい?」
蓮は自分でもどうかしてると思いつつ、林に相談せずにはいられなかった。
「なんでも聞いてください‼︎」
林はパァーっと顔を明るくして、ぐいっと蓮の方に近寄ると全面的に相談に乗る体制となる。
「実は多分その人に…避けられてる…」
「チーフがですか⁉︎」
驚きのあまり、林の声が大きくなる。
「電話しても繋がらなくて、嫌がられてるのかな…って思ってた時に偶然会って。その時は全然嫌そうじゃなかったから安心してたのに…また連絡がなくて…」
林に話出しだしたら、蓮はもう止まらなくなっていた。
「会われた時は、普通だったんですよね」
「そうだと思う」
色々思い返しても、佐々木さんが嫌がってる感じはしなかった。
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