恋煩い ④

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恋煩い ④

「じゃあ、もしも私がチーフの立場なら、自分の得意分野で戦います」 林は自信満々に言い放った。 「戦い?」 恋愛に戦いなんてあったっけ? 「そうです‼︎相手にどれだけ自分のことを意識してもらうかの、戦いです‼︎」 林が力説する。 「チーフは料理がお得意なんですから、誘われてみてはいかがですか?」 「それが、もう誘ってるんだけど、返事をもらえてなくてね…」 何やってるんだ、俺… 年下の、しかも部下に、こんな相談なんて… でも、そうしてでも佐々木さんの本心が知りたい。 「返事の催促しました?」 「してない。だって男同士なのにそんなのしたら、気持ち悪いだろ?」 本当に俺はどうかしてる…… 「じゃあ、それが最後のメールだと思って、相手の方に連絡してください。最後の一回なら、相手の方も変な気持ちにはなられないはずですよ」 でも、もし断りのメールが届いたら? 「まー、そんな事はないと思いますが、もし、断りのメールが届いたら、チーフの愚痴ぐらいは聞いてあげますよ」 えへへと冗談ぽく笑う林の存在が、蓮には嬉しく思える。 「アドバイス、ありがとう。やってみるよ」 蓮は心に決めた。
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