恋煩い ⑤

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恋煩い ⑤

決断してからの蓮は、早かった。 佐々木が肉、魚、どちらが好きでも食べられて、下準備さえしていればすぐに料理が完成するメニューを考え、 美味しいワインの白と赤を用意し、 林に、おいしい焼き菓子の店を教えてもらっておいた。 そして……… 「ちょっと席を外す」 「はい。わかりました」 蓮はそういうと、佐々木にメールを送るために席をたった。 仕事中に蓮がプライベートの件で、席を立つ日が来るなんて、自身でも思いもよらなかった。 送るぞ! これが、最後のメール。 これでダメなら、本当にダメなんだ。 結果が早くわかった方がいいじゃないか。 深入りする前だと、立ち直るのも、きっと早いはず…… 蓮は自分自身に言い聞かせて、佐々木に最後のメールを祈るような気持ちで送る。 『美味しいワインが手に入りました。もし、よろしければ、ご一緒していただけませんか?佐々木さんのご迷惑になっているのであれば、これで最後にします 立花』 さぁ、やれることはやった… 結果がどうであれ、早く返事が欲しい! 蓮は遠い昔に感じた、あの受験や就活の合格発表のような気持ちになっていた。 …………………。 まだ……返信は来ない……。 きっと仕事中で忙しのかも。 でも、これが佐々木さんの答えなのかもしれない… しばらく経っても佐々木から返信がなかったので、蓮は落ち込む心を落ち着かせ、自分の席へと戻っていった。
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