ディナー ①

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ディナー ①

林さんが焼き菓子をプレゼントしてくれたおかげで、なんとか8時に料理の完成させられそうだ。 でも、急がないと。 最寄りの駅から家路を急いでいると、蓮の住むマンションの近くで人影を発見した。 もしかして、あの人は… 「佐々木さん‼︎」 声を掛けると人影が振り向き、それが佐々木だと確信する。 「立花さん‼︎…すみません。お約束の時間より少し早くついてしまいました」 「いえ、こちらこそ、お待たせしてしまい、すみません。大切な日に限って仕事が長引いてしまって…」 あ、まただ… 蓮は佐々木の前だと、つい本音がポロリと出てしまう。 このままでは、俺の気持ちが佐々木さんにバレてしまいそう。 だが蓮が本音をもらすたび、佐々木は頬を染め、恥ずかしそうにしている姿を見ると、蓮はどうしようもなく胸がくすぐったくなるのを感じていた。 佐々木さんに会えて、嬉しい。 フワッと蓮がが微笑んでしまい、それを観た佐々木が顔が真っ赤になる。 「こ、この紙袋…私、持ちます‼︎」 「じゃあ、お願いします」 顔を真っ赤にしながら、佐々木が蓮の持つ紙袋に手を伸ばしたので、蓮は佐々木に袋を手渡すと、佐々木の顔がほころぶ。
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