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ディナー ③
蓮は佐々木を招き入れると、嬉しいからか、緊張するからか…
自分でもどちらかわからないぐらい、心臓がドキドキし、ソワソワする。
佐々木の方を見ると、佐々木も緊張しているのかソワソワしている。
「佐々木さん、コーヒー飲まれますか?」
なんと話をすればいいかわからず、無難な質問を蓮は冷静を装いながら聞くが、佐々木の顔をまともに見れないといった、久々の感情に戸惑った。
「!いえ…わたしは大丈夫です」
声を裏返しながら、佐々木が答えたのをみて、可愛いと思ってしまう。
抱きしめたいな…
この気持ちが、素直に伝えられたらいいのに…
佐々木さんの気持ちが少しでも俺に向いてくれてたらいいのに…
本人を目の前にすると蓮の中で、佐々木への気持ちがどんどん膨らんでくる。
「では、ソファーで少し待っていただけますか?わたしは急いで着替えてきます」
「は、はい!」
佐々木に笑顔を向けると、寝室へと急いだ。
佐々木さんとは、知り合いで…
よくて友達でいないといけない。
俺の佐々木さんへの気持ちがわかったら、佐々木さんは俺の前からいなくなってしまうかもしれない。
それだけは、絶対に嫌だ。
だから堪えろ!
佐々木さんには俺の気持ちを絶対に悟られてはいけない。
蓮は私服に着替えると自分自身に言い聞かせて、佐々木の元へと向かった。
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