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妖艶 ①
……頭が…フワフワする……
……さすがに、飲みすぎたか………
蓮が後悔したのが遅かった。
食事の時も、食後も、ゲイだと告白した後も、ワインを飲むピッチが早すぎた。
自分でも自覚している。
でも、酔いが回り始めたのは急だった。
さっきまで大丈夫だったのに……
せめて、佐々木さんが帰られるまでは、しっかりしないと…
そんな気持ちとは裏腹に、蓮の目はトロンとする。
「立花さん、大丈夫ですか?」
「…」
佐々木に声をかけられているのも、
肩に担がれて部屋を移動しているのもわかっている。
だが、自分の体が自分のものでないようなぐらい、蓮の意思とは関係なく、全く自分から動こうとしない…
ごめんなさい、佐々木さん……
迷惑ばかりかけて。
俺、嬉しすぎて……
ハメをはずしすぎました……
蓮が心の中で謝っていると、
あ……。
ひんやりとした柔らかなベットの上に、自分の身体が寝かされたことに気がついた。
ベットが冷たくて気持ちいいけど、もう少し佐々木さんとくっついていたかったな…
『佐々木さん、今日はありがとうございました』って、お礼を言って見送りをしないと…
蓮が体を起こそうと思った時、
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