妖艶 ③

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妖艶 ③

!!!! 佐々木の気配がより近くに感じたかも思うと、蓮の唇に、柔らかいものが当たった。 そして、蓮がゆっくりと目を開けようとすると、 !!!! また蓮の唇に柔らかなものが当たる。 その柔らかなものを確認しようと蓮が目を開けると、目を伏せたままの佐々木の姿があった。 じゃあ、さっきの柔らかなものって…… 佐々木さんの……唇…? 佐々木が蓮とのキスを名残惜しそうに離すと、潤んだ蓮の瞳と佐々木の瞳がぶつかる。 「‼︎ごめんなさい‼︎…こんな事するつもりはなくて…その…」 慌てる佐々木さんが可愛すぎて… 髪やくちびるだけでなく、もっと他のいろんなところを、佐々木さんに触って欲しくなる。 「佐々木さん…いいですよ」 「え?」 蓮の言葉に佐々木が戸惑っていたのはわかっていたが、蓮は自分の気持ちを抑えることができず、トロンとした瞳のまま佐々木を見上げた。 「いいですよ…キスしても」 「‼︎」 して欲しい…… 佐々木さんに、キスをして欲しい… 蓮は自分の気持ちが佐々木に伝わるようにと誘う。 「そ、そんな事言ったら本気にしますよ。さ、もう寝てください」 佐々木はそんな蓮から目を逸らし冷静を装いながら、そっと立花のシャツを閉めようとする。 嫌だ。 蓮は佐々木の胸元の服をグッと掴まみ、自分に引き寄せると、今度は蓮から佐々木にキスをした。 「してください…キス…」 蓮は潤んだ瞳で佐々木を見つめる。
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