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「オレから健太に頼みがある。
健太は春菜と仲がいいだろ。
だからさ、オレと春菜の仲を取り持ってくれよ」
オレが望まない方向に話は進んだ。
普通ならオレは親友を助けるべきだ。
でも、そうしたら春菜は……。
「いいだろ、健太。
健太にしか頼めないからさ」
オレは和樹の熱心なお願いにダメだと言うことはできなかった。
「わかったよ。
何とかする」
「サンキュー、健太!
やっぱり持つべきものは友達だよな」
健太がよろこぶ一方で、オレの気持ちは暗く沈んでいた。
春菜を好きだと言えない自分の弱さ。
告白する前からあきらめている勇気のなさ。
オレはダメ男だ。
オレはそんな自分の弱さが大嫌いだ。
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