親友よ、お前に春菜は渡さない!

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土曜日の夜、オレはじっと鏡を見ていた。 明日はオレと春菜と和樹の三人で水族館に行くことになっている。 もちろん、春菜と和樹が付き合うきっかけを作るためだ。 そこで和樹は春菜に自分をアピールして、オレは和樹をサポートする。 好きな女が他の男とくっつくのを助けるなんて、お人好しを通り越してバカだろう。 でも、鏡に映るオレは自分がイケてないことを教えてくれる。 春菜は学校で人気ナンバーワンの女子。 和樹はサッカー部のキャプテンでイケメンだ。 それに比べてオレは平凡なルックスの絵を描くことが得意なだけのアニメオタクだ。 戦う前から勝負はついている。 ため息しか出ない現実にオレは嫌気がさして寝転んだ。 でもそのとき、オレのスマホに通知が来た。 春菜からのラインだった。
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