パルピ姫とドラゴン

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 昔むかし、山の向こうに、ミザリア王国という小さな王国がありました。  ミザリア王国は豊かで平和な国でしたが、困ったことに、年に一度ドラゴンがやってきて、悪さを働くのでした。  ある日のことです。 「王さま、大変です、ドラゴンがやってきました」  と、家来が王さまの部屋に駆けこんできました。 「なに、ドラゴンが来たと? いつもの年より、少し早いではないか」 「はい、そうなのですが、確かにドラゴンです。山あいの谷に居すわって、いけにえをよこせと吠えています」 「ううむ、困ったのう」  王さまは苦々しく顔をゆがめました。  どういうことか、説明しましょう。  ずっと昔から、ドラゴンはミザリア国へやってきていました。そのたびに町で大暴れし、家も人もめちゃくちゃにしたものです。お城から兵士たちが出ていきましたが、ドラゴンはとても強くて、かないません。
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