4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ね、さすがに顔写真はやめたよ。ほら、髪に隠れて見えそで見えない、儚げな横顔がミステリアスでしょ」
「あ、アホだろ宏海。少しは工夫があるのかと思えば、まんまじゃねえか。しかも、んな基金あるかー!」
「え、違った?失恋基金だっけ?」
「…お前こんなん、たちまち入札&中傷地獄になるぞ。まず100%、体が目的なんだから、1日たたずにアカウント凍結だな」
「アハ、体じゃないって断ってるし、だいたい私に需要なんかないって。ねえ卓裕、あんたさ、今好きな人…いやそういうのいい、もう」
実は私は、この卓裕がずっと好きだった。
高1の頃だったかな。気持ちが抑えられなくって、でもきょうだいみたいな卓裕に、今更好きだなんて言えなくて。ちょっと苦しい時期があったんだ。
ドキドキしながらあくまで一般的なテイで恋バナを振ったら、好きな人がいるって。凹んだなあ。
卓裕はモテる方だから、数人とつきあってはすぐ別れてさ。なのに私だけは女として卓裕と向き合えないのが寂しくて悔しくて、私は彼と…いや元彼とつきあい始めたんだ。
そっか、最初から私が悪かったんだね。
最初のコメントを投稿しよう!