1円スタート!私の『女』売ります

6/6
前へ
/6ページ
次へ
 その後私は、大泣きするやら大吐きするやらで派手にぶっ潰れた…らしい。卓裕は「ガチおっさんか!」と呆れながらも世話してくれたそうで、翌日に会ったら微妙に不機嫌そうだったけど、それでも優しかった。  2人で昨日のオークション結果を見る。 終了したオークション ID:90125 1円スタート!私の『女』売ります 出品者:ひみこさん 落札者:リレイヤーさん 入札数:156 落札額:500,000,000円 「飲んでた時間で終わってる…強制終了したな。マナー違反だ」 「冷やかし入札者がそれ言う?これじゃ2人揃ってバンだね。でもリレイヤーさん、この度はお買い上げありがとうございました」 「おう、一生の買い物だよ」 「一生…5億かあ。本当に私で足りるのかい?」 「逆。本当は何億でも足りないよ。バンされるから決済はできないけど、これから何億円分でも宏海をだいじにするから。ごめん、俺ヘタレだからこんな形で…」  私はとっさに、この愛しい人の唇を強引に奪ってしまった。ぎゅうぎゅう抱きしめて、何度もキスしてやった。 「おま…相変わらず男前だな、全然女じゃ…」 「ううん、これが私の精一杯の『女』だよ。それに確かこの落札者様はドMで、こういうシチュが好きなはず…ふふん」 「てめ、人の嗜好まで…いいよ!ただ今商品を受け取りました!この度は迅速なお取引を…ありがとうございましたっ!」 「こちらこそ、落札者様に末永くだいじにしていただけたら本望です。アハハッ!」  人生が変わるオークションって…あるのかもしれないね。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加