第一話 川崎隼人と家出娘

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 西門区・清永… 活気だっている夜の街を徘徊していた俺に『…あ、あの… 私どうですか?』と声かけてきた女。  写真で見た顔のまんま…こんなすぐにビンゴって自分が怖い。  俺はスナックにてほろ酔い気分だったのに覚めちまった。報酬はたんまり、時給換算したら日本一じゃないか?…いや、それはないか。  話を聞くためにレストランでも寄ろうかと思ってたのだが彼女が『しばらくお風呂に入れてないからホテルに行きたい』と恥ずかしがりながらも積極的なことを言う。  美人局(つつもたせ)かと周りを見渡しても誰もいない。  最近の女子大生が過激って結構当たってるじゃん猛毒スナイプズ記者・川島ァッ!!(【猛毒スナイプズ五月号】-やれる町ベスト10-より川島記者『女子大生は清永に来やすいよね。おじさんって存在はイリーガルだけど援交に労基法当てはめるならめっちゃホワイト。ついついサービス精神から過激な行為に走りがちなのよ』)  そばにあったホテル・大切(←と書いてプレシャス)に入った…何をだ? 時間をか?   ラブホって言うより宇宙… 暗いけど足元明るく…見上げると屋内なのに星がキラキラ…なロビーを抜け部屋へ。  ロビーには人がいなくて困ったけど前回来たらしい彼女(ターゲット)が部屋まで手ほどき…なんでも、部屋の鍵は自販機で買うという無人システムらしい。  形式上20歳以上がなんたら書いてあるけど鍵の隣にはビールも売ってる… 大丈夫か?日本。飛鳥もこういう感じなのかなとちょっと悲しくなった。    彼女がシャワー浴びさせてる間、ベッドに座って待ってる。話聞くだけなんだけどなんか俺がもてなされるみたいで緊張するな…   岩橋(まどか)(18)中、高は合唱部だったらしい。だからおでこ出しスタイルだったんだな。  恥ずかしがりやで先頭に立つような子ではなかったと… お父さん、ホントに向き合ってたの?と思った。 「えと… 浴び終わりました」  身体にタオルを巻いて座っている俺に言う円。 「服着ろ」  豊満なボディライン… 最近の女の子ってみんなこんななのか? 俺は硬派を装って言う。 「え… 私じゃいやですかぁ?」  と俺の横に座る彼女。甘えた声出して誘ってくる。 「…プレーしに来たわけじゃない。さっきも言っただろ? 親父さんが俺に依頼してきたんだ」 「…別にどうでもいいですよ。元・父のことなんて」 「どうでもいいって、俺がどうでも良くねぇよ。…もうどのくらいになるんだ? こういうのって…」 「こういうの?」 「いや、だからその… エンコー、を…」 「二回目です」  「へ?」  俺は思わずベタ過ぎる反応するくらい反応した。んなバカな… 「私すっごいエッチに興味あったんですけど、女子高だったし出会いもなかったから経験なかったんです。一昨日初めて…」 「はは… ロスト後なのね… 友達もやってたりするの?」 「はい。私は奥手だったからその手の話はしなかったですけど… 清永にだってに同級生の紹介ですよ」 「へ、へぇ…」  俺は飛鳥が心配になっていた。身体売って家族を支える金作った日にゃ、涙の川が出来そうだ。 「…私、お母さんと喧嘩しちゃって… お父さんがあんなだからおかしくなちゃって、精神科に通院してる日々なんです。すごい過保護になっちゃってて。それが嫌で家飛び出して後輩の家にお邪魔したんです。その際にお金も稼げてエッチも出来るここを紹介してもらって」 「…まぁ、なんつーか… 身体売るなんて良くないぞ。恋人や彼氏がそんなこと知ったら失神ものさ」  好きなことやって金も手に入れて… 響きはいい。けど… 「えー? お兄さんもお母さんみたいにそういうこと言うの? …じゃあ私、お兄さんタイプだから恋人になってエッチしよ? 今度はカッコいい人としてみたいって思ったから声かけたの。前の人はタイプじゃないからとっても楽しみぃ♡」  この猫かぶりのビッチめ‼ 急に元気になりやがって… 「私、一昨日初めてエッチしたけどびっくりしちゃった。あんなにおっきな声出して恥ずかしいけど気持ちよくなって… 頭スースーしてて新しい自分になれた気がしたの。最初は怖かったけど相手のオジサンが色んな事してきて…初めてのこといっぱい、とっても幸せで… 羞恥心とかもうどうでもよくなっちゃった♡ あんなに気持ちいなら、もっとはやくに知りたかったなぁ…」  恍惚な表情を浮かべて言う彼女に冷静に問いただす。 「…頭がスースーってのは?」 「気持ちよくなるおクスリを飲んだの。お尻にも塗り薬入れられてとっても幸せだったぁ。ねぇ…お兄さんエッチしようよっ♡」 「…ふぅ」  俺はタバコに火をつけて一呼吸… 「言いたかないけど、今のお前に魅力はないよ?マジで…」
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