第一話 川崎隼人と家出娘

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 ネタの宝庫だ、俺がコメディアンなら一時間は余裕で話せると思ったね。 「…お兄さんの彼女かい? うちには来てないねぇ…」  ヤングなゴリゴリはどうも苦手で尻込み… 俺はおばさんが切り盛りするスナックで聞き込み。  お客にも『こんな子知りませんか?』なんてお酒一杯奢りながら店内を聞きまわるも情報なし。  カラオケに哀愁たっぷりな声にも背中にも感じさせる熟練おじさん達に、こういう大人はカッコいいなって。  選曲も一途で渋いし『俺は俺でありたい』みたいな? …少し男が上がったが有益な情報は手に入らず仕舞い…   ◇◇◇  「お、お兄さん、私どうかなぁ?」  ここは【出町通り】と呼ばれるやらしい店を多く抱え、援助交際求める女が集う通り。要はスッキリしきれない男どもをゲットするってこと。  なんたってキャッチよりも多いらしい。家出少女が行きつく先を今までの20年間の間にため込んだ情報で答えを導き出した。  とはいってもテレビや雑誌の受け売り。売り手市場で引く手数多… 口は悪いのだが家出した女の子ってさぁ… 「ウリに走ってんじゃないかなって思ったわけよ」 「え…?」   親が親なら子も子だった… 写真見たまんまの女の子が俺に身売りDEATH…
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