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文章を書くことが、嫌いではなかった。
ライターという仕事に就いたのも、正直に言うとそれが理由だ。
好きなことを仕事にするのは、リスクが大きいと思った。仕事での失敗や評価が、そのまま人生の挫折になりかねない。
だから僕は、好き、ではなく、嫌いではない、という判断基準をいつからか重要視するようになった。
そんな僕は、趣味というほどではないが、時々小説を書いている。それは日々思うことや考えたことを題材とした、短くて、エンタメ性のないもの。
小説と言いつつ、エッセイやブログに近いものかもしれない。自分の思想を、ぼくの口(この場合は手? 文字?)からではなく、架空の世界の登場人物に代弁してもらっているのだ。
一時は投稿サイトにも登録していたが、一年もせずに更新をやめた。
アクセス数が思ったより伸びなかったことと、アクセス数を気にしている自分が嫌だったからだ。
自分の能力を、どんな評価基準であれ数字で表されるのが、怖くなったのだ。
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