オモイデキリウリ

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 俺は小説家になる。いつかデカい賞を取って、華々しくデビューするんだ。  彼はそう言って笑った。  本気で言っているのが一目で分かる、彼らしい表情だったことを今でも覚えている。  僕も彼の能力、いや才能を信じて疑わなかった。大言壮語とは思わなかった。  デビューしたら連絡するよ。  そう言って別れた彼からは、大学卒業以来連絡はなく、もうすぐ10年になる。
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