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はぁ~
ため息をつきながら、下駄箱にむかう。
沢口くんとの話すの初めてだったのにまさか、あんなミスをおかすなんて、アタシのバカバカ。絶対嫌われたよ。いや、むしろ変な女って思われたかな?いや、泣きそうになっちゃっし面倒な女って思われたかな。どっちも最悪。
あ~アタシの気持ちはどこに行くのやら。とほほ。
アタシはガックリとウナ垂れて、早く家のベッドに転がりたいと思い、下校の為靴を履き替える。
「西宮さーん!ちょっと待って。」
誰かがアタシを呼んでいる。ウナ垂れてゾンビのように振り替えるとそこには沢口くんが立っていた。それを見た瞬間、アタシはウナ垂れていた姿勢から敬礼するかのように、ビシッ背筋を伸ばした。
「今日はごめん。俺が連絡先交換しようなんて言ったばっかりに、なんかみんな注目浴びるようなことになっちゃって。」
まさかそんなことを謝りにくるとは思ってなかったので、一瞬間が空く。
何か言わなくちゃ。無視してるみたい。
「だ、大丈夫だよ。」
アタシは何とかつまりながらも、返事することが出来た。
すると遠くで沢口くんを呼ぶ声がする。
「沢口早くしろよ~」
「今行きます。」
沢口くんは大きな返事をする。
「ごめん、もう行かなきゃ。連絡楽しみに待ってるから。じゃあ気をつけて帰って。」
沢口くんはスマホをアタシに見せると手を振り、呼ばれた人の元へ走っていった。
連絡??はて?・・ハッ!
アタシはポケットに手を入れると一枚の紙が指先に触れる。
取り出した紙にはは沢口くんの連絡先が記載されている。
アタシからの返事を楽しみにしてくれてる?まあ社交辞令てきなやつだよね。どうせ。
アタシの頬が熱くなる。
今日はまだベッドに倒れ込んでいる場合ではない。早く帰って沢口くんに連絡しなくちゃ。アタシの心はさっきまでの真っ暗から青空にまで変化していた。アタシって本当に単純だと自分でも思う。
帰宅してすぐに充電器を探して、直ぐにスマホを充電する。
そして、スマホを立ち上げると沢口くんの連絡先を打ち込んで、メッセージを送る。がここで一つ問題が発生する。
はて?なんて送ればいいのだろうか?
アタシは考える。考えるも思い付かない為、ここはネットの力をかりることにした。
【挨拶】検索っと。
そして、それを参考にして沢口くんにメッセージを送ることにした。
「こんばんは、西宮です。今日はスマートフォンの充電を切らしてしまい大変ご迷惑をおかけしました。」
まあこんな感じだろう。なんか硬い気もするけど失礼があってもダメだよね。よし、そ、そ、そ、そ、送信!
送信ボタンを押すのに手がふるえたが、いざ押し終えると、はぁーと肩の荷が降りたようにかるくなり、安心した。
そして、アタシの意識はベッドに吸い込まれていく。
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