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家に帰って少ししてスマホを見ると沢口くんからの返事が返ってきていた。
『どういたしまして。西宮さん注目されるのとか苦手そうだし、俺も直接渡すのは恥ずかしいから机入れちゃった!勝手に机入れててごめんね。』
恥ずかしいだなんて、意外だ。ってきり沢口くんならこういう本の貸し借りなんてのは気軽に出来る人なのかと思ってた。新しい一面を発見。
『気を使ってくれてありがとう。アタシもみんなに見られるのちょっと恥ずかしいかもとか考えてたから良かったよ。けど本当にびっくりしたよ。教科書出そうとしたら漫画出てくるんだもんw』
『あの時の西宮さんのリアクション最高だったよ(笑)』
『まさか、見てたの?』
『見てたよw目が合ったような気がしたんだけど、気のせいだったかな?』
目が合ったの気のせいじゃなかったんだ。沢口くんとアタシ目合ったんだ・・ちょっと嬉しく思い、頬が熱くなる。
『実はアタシもあの時目が合った気がしてた。』
『気のせいじゃなくて良かった。西宮さんの反応も驚いた顔も可愛かったよ。』
可愛かった・・キャーーーどうしよ、どうしよ。沢口くんがアタシのこと可愛いって言ってるよ。超嬉しいんですけど。
ハッでもここで調子にのってはダメよ、美波。落ち着きなさい。沢口くんは人気者よ。女子を褒めるぐらい慣れたものよ、きっと。
『可愛いだなんて、どうせみんなに言ってるんでしょ?も~イジワル(`□´)沢口くんって意外とイジワルなんだね。知らなかったよ。』
『まあまあ可愛いものには誰でも可愛いって言うよ。ところで漫画はもう読んだ?あっ!別に急かしてるわけじゃないからね。』
急に話変えられた。なんかやな感じ。少しアタシは拗ねてしまい、仕方なく借りた漫画をパラパラとめくり、最初に目についた言葉を書いた。
『少しだけ読んだよ~ワシ達を超えるか。なら、この本をお前に預ける。必ず返しにこい。』
『最初の名言きたーーー!これからどんどん面白くなってくるから期待しながら読んでね。西宮さんのオススメも教えて~?』
逆に質問されちゃった。この場合少年漫画で言った方がいいのかな?それとも少女漫画でもいいのかな?ん~?悩む。
机の上にある【扉とレンガの正しい食べ方】という本をパラパラとめくりある言葉をみつける?
■
オススメなに?
これですけど。
いや、これはないなぁ~
っていうリアクションをとる人とあなたは一緒に居たいですか?私はノーです。
だから、取り繕う必要はないの。あなたのオススメを答えればいいだけ。
■
『少女漫画になるんだけど、【ワシに届け!ワシ物語】ってのはめっちゃ面白いよ。男子もハマると思う!沢口くんは知ってるかな?』
今アタシが一番好きな漫画。ワシに届け!ワシ物語は、学校を舞台とした青春恋愛物語だ。友情と恋愛の両方で泣けるまさに名作。けっこう有名だからこれなら沢口くんも知ってるよね?
『ごめん、少女漫画は全然わかんない。』
『そっかぁ・・』
知らないんだぁ~どこか知ってるだろうという謎の自信があったアタシの魂は口から抜け出し、送信ボタンを押すと同時に灰になる。
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