好きな子と遊ぶ

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好きな子と遊ぶ

漫画の交換も定期的に行い、学校では話さないが連絡はよく取るようになっていた。 『明日の放課後って時間ある?』 『特に予定はないよ。なんで?』 スマホを見ながら、考える。 明日ってなにかあったけ? ん~腕を組ながら座っている椅子でくるくると回る。 『なんでもない。おやすみ』 予定聞いといてなんでもないってことはないでしょ。けど、おやすみって言われるとこれ以上は聞きにくい。沢口くんがアタシをどう思ってるのかは分からないけど、寝ようとしているのにしつこく連絡したらウザいし、嫌われちゃうよね。 なので、アタシはモヤモヤしながらも眠ることにした。 ◇ 昼休みにアタシが、隣の席の川田真紀(かわきたまき)ちゃんと昨日観たテレビの話しをしていた。 真紀ちゃんは茶髪の長い髪をツインテールにしていて、メガネを描けてるとっても可愛い女の子だ。 「美波、真紀、今日の放課後暇?」 そこへ、話し掛けてきたのはスラッとした長身でモデル体型の南本楓(みなもとかえで)ちゃんだ。クラスの人気者で沢口くんともよく話している。 放課後か~昨日も沢口くんに聞かれてたな。 なんだろうと思いつつ、アタシと真紀は目を合わせる。しかし、お互い予定がなかったので、コクリと頷く。 「海騎と隼人と誠也の三人とボーリング行かない?」 岸本隼人くん。沢口くんと仲良くて、いつも落ち着いている。 田中誠也くん。楓ちゃんとは幼なじみらしい。 といった感じで特にアタシはこの二人とは接点がないのに、なんでだろう? だが、それは些細な問題だ。 海騎・・沢口くんの名前。つまり、沢口くんたちと一緒に遊ぶってこと? ・・ボンっ! アタシの頭が嬉しさで爆発しそうです。頬だけでなく、顔全体が暑くなる。 「急に誘ってごめんね。やっぱ忙しい?」 ささささ沢口くん。 学校でアタシが沢口くんと話すなんて。 キャーーー ん?待って?それにしてもこの聞き方っておかしくない?だって沢口くん昨日アタシに今日の予定聞いてたし・・まさかこういうことだったの。 沢口くんは何も知らないですよっといった感じでいつも通り、ニコニコと笑っている。 「ウチは大丈夫だよ。ミィも大丈夫だよね?」 「うん。」 二人とも返事をしなかったので、真紀ちゃんが代わりに返事をしてくれた。ちなみにミィはアタシのあだ名で、真紀ちゃんか付けてくれた。 「よし、じゃあ決定。授業終わったらみんなで行こう。」 沢口くんはポンッと手を叩くと自分の席に戻っていった。 その背中に見とれていると、不意に振り返った沢口くんと目が合い、再びにこりと笑ってくれた。頬が熱くなりサッと視線を反らした。そして、再び顔を上げた時には沢口くんは他の子と話していた。そして、何故か岸本くんとも目が合った。すると岸本くんは何処かイタズラを企む子供のような顔をしていた。 アタシはほとんど関わったことがないから分からないが、いつもクールなのにあんな顔もするんだ。
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