再会

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再会

「間に合った……」 20分着の電車を降りて、南通りへ向かう。 駅から徒歩5分だから、もう安心できる。  南通りの方へ向かうと、背の高いスーツ姿の男の人がこちらをじっと見ていた。ワックスで綺麗に固められているが少し天パの入った髪、シュッとした目と鼻立ちがクールな雰囲気をまとっている。 「あ」 あれはまさしく難波先輩だ。 頭をぺこぺこしながら、小走りで彼の元へ向かう。 「ごめんなさい~」 「全然。遅れてないじゃん」 難波先輩は笑いながらそう答えた。 「いつぶり……」 声が被ってしまい、思わず笑ってしまう。 「二年半ぶりじゃないですか?」 答えたのは春奈だ。二年半前、元カレの俊哉と別れた時に心配して声をかけてきてくれた時以来だ。 「そうだね。その後一回振られたけど」 え、春奈は思わず固まってしまう。 「そういえば! あの時はすみませんでした」 振られたというのは、別に告白されたわけでも何でもない。達彦さんと付き合ってすぐに、誘われた飲みを断ってしまっただけだ。 「いや、全然いいよ」 難波先輩は目を細くして笑う。クールな雰囲気なのに、可愛い笑顔というギャップにたくさんの女の子が(とりこ)になっていた。きっと、今も変わらずなのだろう。
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