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「ええー、ホントにい? だって、孝彰さんでも満足出来ないなんて、オトコに興味ないとしか思えないし」
私に近寄るでもなく、席に座ったまま声を大にして話しかけてくるのは、言わずもがなワザとだ。
そう、この高倉さん。以前、私のように孝彰さんと"お見合い"をした過去があり、本人は乗り気だったものの、一方的に「合わない」と告げられてそれっきりらしい。
こちらの都合など一切お構いなしな部長の"朝の挨拶"によって、私が彼に会ったのだと気づかれてしまったのだ。
そして、拒絶しているのは向こうではなく、私だということも。
(恋愛絡みは一番面倒だから気を付けてたのに!)
どーしてくれんの部長! と脳内で胸倉を掴みつつ、私は「あははー、もしかしたら、そうなのかもしれないですねー」と愛想笑いを返しながら席を立つ。
下手に否定するほうが、余計に絡まれるってもんだし。
恨み溢れる鋭い双眸から逃げるようにして、フロアを後にした。
***
「……はあー、だから嫌だったのに」
高倉さんからの、地味な嫌がらせが続いている。
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