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「ですから、私にとって、はじめっから"あり得ない"お見合い……まあ、お見合いって気持ちもさらさらなかったんですけど、ともかく孝彰さんとお付き合いする気は微塵もありません。なんなら今後、お仕事でない限りは一切関わることのない生活を望んでいますので、恋人探しでしたら他を当たってください」
愛想笑いゼロ。
ぴしゃりと言い切った私に、孝彰さんはわかりやすく焦燥を浮かべた。
「なにが……っ、俺のなにがそんなに気に入らないんだ? よく考えてみてくれ、俺につりあうのはキミしか、キミに相応しい男は俺しかいないだろう?」
「いや、ですからね……そもそもその"つりあう"って発想からして理解できな――」
「ならなんだ。キミほどの美人が生涯パートナーもつくらず、こんなしけた会社で使いつぶされる人生を選ぶのか? 違うだろ? 美しい服に靴やバッグ、アクセサリーだって、キミの美しさの為ならなんでも買ってあげるさ。食事だって質が上がるし、ジムでもヨガでもエステでも、好きなだけ時間をかけられる。そうしてキミは一生美しく、幸せな人生を手に入れる。俺の"妻"として。なあ、夢のようなチャンスじゃないか」
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