『姿の見えないストーカー』に追われています

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 物心ついてすぐ、自分の顔立ちが人より目立つことに気が付いた。  可愛いものが好きだった私は心から嬉しくて、それこそ人形遊びのように、自身を飾り立てる"遊び"に夢中になった。  それは成長してからも変わらず、むしろ拍車がかかり、今の私は天然素材に努力が加わって大層綺麗な見た目をしている。  顔面は言わずもがな、程よく筋肉をつけた引き締まったウエストに、アッシュブラウンに染めたセミロングの髪は柔らかながらもツヤツヤ。  つまり何が言いたいかというと、そんな私の外見に惹かれたというはた迷惑なストーカーを相手にするのは、これが初めてじゃないってこと。  けれどこれまで出会ってきたストーカーは全員、隠れるというよりはむしろ気づいて欲しいと言わんばかりに堂々と付いてくるタイプだったし、そのおかげか私から声をかけて『やめて欲しい』とお願いすれば素直に引き下がってくれていたけど……。 「……今回は手強そうだなあ」  気配は、確実にある。のに、姿どころか影も物音も一切しない。 「……実は、お化けだったりして」  うん、むしろ、その方がしっくりくる。
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