黒猫の呪い

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 突然フェラーリの前に飛び出して来た黒猫、それを全く避け切れず轢き殺してしまったのだ。  ぐしゃぐにゃどびゅと擬音で表せば、そんな気色悪い感覚がタイヤを通してダイレクトに伝わって来た。 「嗚呼、やっちまった!」  やっちまったのはしょうがない。問題は我がフェラーリだ。  僕は心配になって路肩にフェラーリを停めると、外に出てフロントの下回りからサイドシルの下回りまで逐一チェックし、タイヤもチェックして血痕以外は何の異常も認められなかったから取り敢えず安堵した。  轢いた黒猫はと言うと、死骸を見たくないので確認しなかった。  その後、僕はコイン洗車場へ行ってジェット噴射洗浄機で血を洗い流してフェラーリを洗車した。
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