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 ドライブを堪能した後、大人の夜の時間を満喫するべく近場のホテルに泊まり、まずはレストランで食事をすることにした。  印象派や写実主義の絵画が収められた額を中心にモダンに装飾され、ネオンやイルミネーションやビルの窓明かりが宝石を散りばめたように見える都会の夜景、それを眺められる窓際の席に陣取った僕らは、テンダーロインステーキやロブスターや生牡蠣などの高級料理と最高級のシャブリワインを頼んだ。  で、ここでもクリスピーパイピザのクリスピー感たっぷりのさくさくとした食感が僕を爽やかな気分にさせてくれた。  話している内、音楽や映画の話で盛り上がったが、車同様60年代70年代の物が好きな僕と今流行りの物が好きな彼女との間に必然的に齟齬が生じた。  当然、言い合いになるのだが、僕は前述のとおり押しつけがましいことはしないから喧嘩にはならない。  断っておくが、僕が保守的で彼女が進歩的という訳じゃない。僕は60年代70年代の文化に本物を見出すのであって彼女は単なるミーハーに過ぎない。
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