女神に愛された俺は幸せか?

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小さな町の、小さな喫茶店。 俺のバイト先だ。 開店前から、並んでいる客もいる。 今日も忙しくなりそうだ。 マスターの料理の腕もそこそこ、 量も普通、メニューも他の喫茶店と 変わりはない。 コーヒーに特別こだわってるわけでもない。 だが客は目的をもって、この店にきている。 女神様がここにいる。 俺、高田ジュンと一緒に。 「ジュン、働けー働けー」 「エプロン姿素敵です」 「すてき、ねエレナ」 「すてき、ねヘレナ」 カウンターは女神たちの定位置。 客は誰もそこに近寄らない。 だが視線だけは外さない。 「お待たせしました。ランチセットです」 「もっとたくさん運べないのかー?  頭、頭に乗せればいいー。ほら、頭!」 「プリヤ、邪魔をしないの」 「邪魔してないしー。ジュン、 それ生クリームのってなーい!  生クリーム!」 「ナポリタンに生クリームはのりません」 「のらない、ねエレナ」 「のらない、ねヘレナ」 「えー生クリーム! マスター、生クリーム!」 「生クリーム、いいじゃないか。全てのメニューに生クリームをトッピングできるようにしよう」 「さすがマスター!」 そのトッピング制度、俺は使うことなさそうだ。
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