地下道

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巨大な円形の筒のなかは ひんやりとした空気と 先の見えない暗闇 カツン、カツンという我々の足音以外、静寂を保った空間が広がる 「凄いですね」 男は感嘆の声をあげる エコーがかった声が空洞を小さく、こだまする 「地下鉄を走らせる予定だったんですが、不況の煽りでね」 「そうですか」 「ホームレスが入りこんで、住んでる噂もありまして」 「隠れ家には、もってこいの場所ですからね」 男は、笑い声混じりに苦笑する 「ただ、人間以外も現れるようで」
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