小学時代

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小学時代

   小学校の担任の先生に聞きました。  春の運動会の終了後。どうして私を指名して、片づけ係に任命したのでしょうか? ―なんでも疑問に思うのは良いことです。まして、それをきちんと口にできるのはもっと良いことですよ、ヒナさん。あなたは優等生の鏡ですね。  運動会の日は、あなたのそんな良いところがたくさん現れていましたね。体育が苦手ながらも、頑張る姿、落ち込んでいるクラスメイトを励ます姿。ヒーローのように活躍したわけではありませんが、みんなを裏側から支えていました。  そんなあなただからこそ、私は感じました。ヒナさんなら片づけを快く 引き受け、活躍してくれるだろうと。押しつけられたなどと言う人もいたかもしれませんが、私はあなたが力を発揮できるようにお手伝いをさせて頂いたのです。  帰るのが遅くなってしまったのはごめんなさいね。でも、この経験はヒナさんにとって良い勉強になったと思うわ。え、具体的には…ね。もちろん、人には人の、ヒナさんにはヒナさんの生かせる力があるってことよ。
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