高校時代

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高校時代

 部活仲間に聞きました。  クラブに入るつもりがなかった私を誘ってくれたのはなぜですか?  ―答えは簡単。あたし友だちいなかったから。4月いっぱいに入る部活を決めなさいって、かなり早急よね。だってこっちはまだ全然友だちなんてできてないのに。ヒナはあたしの隣の席にいたし、いつも本読んでたから文芸部にピッタリでしょ。  しかも誘いやすい。いかにも騙されやすそうな感じよね、あんた。ぼーっとしてそうっていうか、優しそうって言うんだろうけど、あたしはあんたのぼんやりしている感じあんまり好きじゃない。はっきりしないで、周りに流されるまま来ましたって顔してるのよ。  だから、二人で話したのも部活入って最初の頃だけだったわね。あたしはあたしの部活友だち、ヒナはヒナの部活友だちができたわけだし。あ、失敬、ヒナはもう部活辞めてたわね。  ま、そういうこと。ヒナを誘ったのはなんとなく声掛けやすそうだったから。それだけよ。  え、なんで一人で行かなかったの?ですって?あたし、忙しいの、じゃあね。
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