大学時代

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大学時代

 大学時代の恋人に聞きました。  どうして私と付き合ったのですか?  ―人を好きになるのに理由なんて要らないだろ。それをダイレクトに聞いてくるヒナは現実主義だな。嫌いじゃないよ。  大学生と言えば、勉強も大事だけれど、それ以上にできることの幅の広さにあるだろ。サークル活動、バイト、ゼミ、色んなところで色んなことできるのが魅力的だろ。  そしたら、そこに男女の出会いがあるのは自然の摂理だ。特に俺の周りなんか、いつ作ったんだよってくらいカップルだらけ。お盛んで良いよな。そのくせ、彼女がいない奴のことをボッチだとか、独り身だとか、童貞とか馬鹿にしてくるんだぜ。彼女いないと負け組みたいな、大学の雰囲気。ホントにちんけな思想だと思わないか。え、俺がそう呼ばれたわけじゃないぜ。ないない、そんなこと。  だって、俺にはヒナがいただろ。一目見て確信したんだよ。俺の隣にいるのはお前がふさわしいって。だって、穏やかで優しくて、もう理想の彼女だよ。  ただ、悲しいかな、俺の運命の相手じゃなかったってだけ。  本当に物分かりの良い彼女で助かったよ。俺が他に好きな人ができたって言った時も泣きつかれなかったし、落ち着いてたし、ほんとにお前が彼女で良かった。
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