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占い師さんは【解毒】が済んだ少女たちの爪を切らせました。
「爪を切らせるのは、運気的な問題なのですか?」
私は訊きました。
占い師さんは「爪を立てないように、よ」と言います。
「爪を立てないとは、だれに爪を立てないように、なのでしょうか」
私は訊きます。
「昔から大奥の正室や妾でも、床にはいるときには髪の毛を長く垂らしていたでしょう?あれは、髪のなかに櫛やかんざし、刃物や針など危険なものは何も隠していませんよ、ということを示していたのよ」
占い師さんは続けます。
「そして、男性の指が女性の陰部を探るでしょう? あれは、そのなかに、何かを隠していないかを確かめる意味から始まったのよ」
私はうなずきます。
「爪は相手の男性に傷を負わせるもの、とされていたの。だから長い爪は悪女の証だったのよ。床に入ったら、男性は無防備になる。そのときに、女性が攻撃しませんと示すことが求められたのよ、昔から」
占い師さんは微笑みながら言います。
「芸能の世界で、女性は男性に尽さずして、運は動かないの。だから、女の子たちはまず、ご奉仕上手にならなくてはいけないのよ。特に、運がすべての世界で生きていこうとするのだから、細部までこだわりぬかなくてはいけないのよ」
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