101人が本棚に入れています
本棚に追加
「性的なご奉仕というのを少女にさせるのでしょうか」
私は占い師さんを咎めようとしたわけではありません。
その世界にはその世界なりの理屈やしきたりがあるものです。
私は純粋に聞きたかったのです。
「そうよ。でも、あなたはたぶん勘違いしている。というよりも、あなたの知っている世界とは違うのよ。成り立ちが。あなたの想像すること、というのは、あなたが見てきたもの、聞いてきたことに過ぎないの。でも、こっちの世界は違うの」
占い師さんは続けます。
「芸能界は”異界”なのよ。薬物依存、異性依存、性交依存、変態、乱れた性も生(生きる意味)も多いでしょう? それはふつうじゃない世界だからなのね」
私は訊きます。
「なるほど。ぜひ教えてください」
占い師さんは言います。
「生殖質(占い師さんは”ゲルメン”と呼んでいます。)から完全に離脱して、肉体・体質(占い師さんは”ソーマ”と呼んでいます)で戯れる世界よ」
私にはさっぱり理解できません。
「あの世界で権力を持っている男性のソーマを満足させる、ファンのソーマを満足させるために、少女たちのソーマをコントロールするのよ」
ここまで、私が理解できたことは一つもありませんでした。
私は少女たちが芸能界という特殊な世界に放り込まれ、そのなかで、肉体を玩具にされるのか、と早合点しましたが、実はもっともっと入り組んだ闇が、その奥で口を開いていたのです。
最初のコメントを投稿しよう!