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なにかしらの方法で、少女たちの肉体から「生殖」の機能を抜いて、快楽に専念できるための肉体にしようとしているのでしょうか。
「あなたはずいぶん浅いところで生きているのよ。人間のステージを知らないわ。あなたの前世は瓦版を配っている貧しい人間よ。薄汚い感性で嗅ぎまわらないでちょうだいね」
占い師さんは鼻で笑います。
Pさんが【月の子】の少女が眠っている小屋から出てきて、
私と占い師さんに、「熟成してきたよ」と言います。
私には、占い師さんとPさんが少女たちに何を仕込み、どんな女性に仕立て上げようとしているのかが見えませんでした。
まっすぐな女の子に戻りつつある14歳の太陽の子は、私と目が合うと視線をそらします。
他の少女たちも、急につれない態度になっています。
これが自然な状態です。
妙な媚が消えて、誘惑しなくてはいけないという感覚がなくなっているようです。
そして、白い肌に出ていたたくさんの湿疹も消え、顔色も良くなっていました。
太陽の子は夜に眠りますし、月の子は夜に起き出します。
私はこのとき、ちょこちょこと10分くらいの睡眠をはさみながら、極力、起きていようとしました。
眠っているあいだに何かが起こっているのかも知れないと思うと、どうにか眠らずにいられないかと考えるようになっていました。
太陽の子14歳にPさんが近づきます。
「うん。だいぶいいな。垢が取れてきて、しばらくしたら治すか」
Pさんは太陽の子の顔を撫でます。
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