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この村で合宿生活を送っている少女たちのふんいきはめまぐるしく変わっていきます。
太陽の子は朝5時に起き、朝陽を全身に受けます。
「美白化粧品などを使っていたような子は、ここにはいないから、シミができることもないしね」
と、占い師さんは少女たちに”日焼け止め”を塗りません。
そういえば、占い師さんはふだんはとても濃い仮面のような化粧をほどこしていますが、化粧を取ったときの肌を一度見たとき、とても綺麗な肌をしていました。
左側にある大きな顔のあざを隠すためなのか、何か後ろめたいのか、ふだんは濃い化粧を塗っています。
「美白化粧品を塗っているといけないのですか?」
私は訊きます。
「美白化粧品を塗って陽に当たってみなさい。一発でシミになるのよ」
占い師さんは続けます。
「あのね、人間はすべて地続きなの。
美白になりたいというのも一つの精神性と、私は考えています。
自分の本来持っている肌の色よりも白くなりたい。
それが、向上心とか、美意識が高いと思っていること自体が一つの精神性でしょ。
なぜ、白い肌が向上なの?
なぜ、白い肌が美意識なの?
これは勘違いであり、世の中の風潮に踊らされている精神性でしょう。
この商品を買うような精神性なら、このようなことをやりかねない。
このようなものを使う精神性なら、このようなことを起こしかねない。
そういう”流れ”のようなものがあるの。
人間は一本の川のようなものなのよ」
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