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「白雪姫は、一人の男の愛情じゃ満足しない女性よ。たくさんの男にちやほやされて、求められているからこそ余裕があって美しくいられるの。
それが楽しくなってしまった女は一人の男じゃ物足りなくなるのよ。
白雪姫は7人のこびとに性的なことを許していたはずよ。
それを与えて、ちやほやと褒められる。与えて得る。この原理が働いていたからこそ、美しくいられるの」
「…うーん」
私は占い師さんの私見として受け取ることにします。
女の子たちのメルヘンの世界を独自の解釈で見ている占い師さんは続けます。
「芸能界の運は特殊なの。とにかく特殊なの。そうとしか言い様がないんだけれども、特殊なの。
失った分、得る。得た分、失う。
あなたに分かりやすい例として、アイドルに恋人が発覚したら、流動的なファンは離れるでしょ?
あれも、【得た分を失う】ことなの。
男の子でも女の子でも、アイドルは、私生活で何かを得たら、仕事で何かを失うの」
占い師さんは言います。
「芸能界で、美輪明宏が”正負の法則”と言っていますよね?
あの原理ですか?」
私は訊きました。
「芸能人は一人一人ポリシーとかルールとか教典を持っているの。だから、あの人はあの人の理論、私は私の理論なのよ」
占い師さんは少し気分を害します。
「とにかく、少女たちは今、”失う”期間なの。
空洞の存在にして、運を掻きいれるの。そのために、あなたも働くのよ」
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