101人が本棚に入れています
本棚に追加
私は下半身だけ男性になることに決めました。
決定的になった占い師さんの言葉は、
【オカルト界の住人に混ぜてもらえる】ということと、
【あなたには子宮があることによって、逆に抑圧されている母性がある】と言われたことでした。
自我やエゴから脱して、我が身から生まれた子どもだけではなく、孤独な子ども(姿が大人だけの子どもも含めて)を包み込めるだけのやさしさや母性が自分のなかから湧き上がってくると言われたのです。
オカルト界は、今までずっと信じる機会を持てずに生きてきたのですが、
この世の中にはどうしても人智では説明のつかないことがあるようなのです。
村や島に潜入するとその不思議に出会うことがあまりに多いのです。
私は新しい世界に出会うために、今の体を捨てることに決めました。
*******************
私が面倒をみた手足を切られた少女は次の手術に進み、性的人形になるのです。
私は少女の排せつを手伝います。
少女は排せつの恥ずかしさに慣れないようで、いつも耳まで赤くして唇をぎゅうっと噛みながら目を閉じて涙を流しました。
私は少女に憐れみのまなざしでも向けていたのでしょうか。
そばにいた占い師さんは話し始めました。
「極論を言えば、人間は常に誰かの性的人形なのですよ。男も女も、です。
それが、性からの解放ばかりを謳っているのは不自然なのです。
だからあなたもキメラになって誰かの性的人形になるべきなのよ」
最初のコメントを投稿しよう!