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ですが、そのようにうまくは進まないことが起こりえます。
村のしきたりを知らない不作法なよそ者の来訪です。
娘を汚すためによそから来る男も一定数いるようです。
村のなかでも、発狂者が出て、しきたりをめちゃくちゃにすることもあると言います。
観光客(よそ者)が来る場合、美貌の子どもは基本的に隠されます。
・価値観を変えられることを予防する。(かわいい、綺麗と真実を教えられること)
・誘拐、陵辱、略奪婚、孕ませられるのを避けるため。
下世話な内容が含まれますが、そういうことです。
人間は観光地、要するに非日常のなかでは、いつもの自分ではない、下劣な部分を出しがちです。
ふだんの生活、日常を離れ、遠くの村を訪れたときに羽目を外しがちです。
先述した、この村に出入りする芸能プロダクション関係者は、村への貢献をしているため、認められているというわけです。
ですが、基本的には、決まった宿以外への出入りは禁止されているそうです。
芸能プロダクションの方は、自分で家畜事業をやっている、と言います。
旅館の仲居さんという生贄に美貌の子どもを産ませ、その子どもを引き揚げる。
連れてきた12歳までの女の子(男の子でも同じでしょうが)は非常におとなしいそうです。
「村での儀式(結婚にまつわるもの。のちほど紹介します)をしないで済むよ」
というと、女の子は喜んでついてくると言います。
人を疑うことをしないのですね。
私に寄ってきた巣立ち雛のようです。
自分を、村の厳しい儀式から救い出してくれた、ということで、その方を神様のように尊敬すると言います。
何にでも感動する。
生意気さがない。
付け上がらない。
12歳までは村で食事をあまり与えられないために痩せている。
しつけがされているから早寝早起きで美肌。
芸能人になるために育ててきたかのようです。
精神はすっかり奴隷ですから。
12歳から14歳まで、歌、ダンス、演技などのレッスンを仕込む。
一生懸命憶えると言います。
『村に戻すぞ』
と叱ると、戻りたくないと泣いてすがると言います。
それくらいに、結婚に関する儀式は恐ろしいのでしょうか。
そこにいるあいだには気づかなくても、離れてみるとぞっとするということがありますから、
少女たちは、村での生活がいかにおぞましかったかに気づくのだと思います。
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