6章 I am worthy of you

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 バーベキューが無事終了し、ホテルに帰る時間になった。ホテルに帰ったら休憩……というわけにもいかず、僕は風紀委員の腕章を腕につけてホテルの前に立っていた。  今回の研修で、お昼までは風紀委員である僕らに仕事があまり振り分けられていなかった。もちろんそれには意味があって、僕らの仕事は夜からが本番だからである____。なぜなら、  「…きみたち、早く部屋に帰って。」  ________夜は、部屋を抜け出して逢瀬を楽しむ学生が大量発生するから。外に出ると、どこもかしこも生徒たちが部屋を抜け出していた。  「まじで、この学校のリア充率どうなってんだよ、おかしいだろ。」  隣で貴人は頭を抱えている。全く男子校にあるまじきリア充率である。  基本的に、今回の合宿は同じクラスのペア2人組が一部屋で泊まってもらっている。正直、その部屋の中で何かある分は、無理矢理でなければ目を瞑るが、部屋の外となれば話は別だ。ここは学園の外の世界だということを生徒たちに弁えてほしいものだ。  「僕、あっちのベンチ見てくるよ。」  「了解。俺はあのリア充たちを部屋に戻らせてくるわ。」  このホテルはコテージに泊まる形のホテルであり、ホテルの敷地内に公園のような大きな広場がたくさんある。それだけではなく道にベンチなども多々あるため、2人きりの逢瀬にはぴったりだ。向こうのベンチに人影が見えたので、僕は静かに近づいた。
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