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けいちゃんは「運んでくれてありがとう。」と微笑むと、僕の背をそっと降りた。
僕は心臓がどくどくと痛むのがわかった。彼はきっと聞いていたんだ、今の会話を全部。冷静に考えれば、あんな大きな声で言い合いをしていて起きないわけがない。
けいちゃんは、どう思ったのだろうか。生徒会のメンバーたちのことを。
けいちゃんは、そのまま生徒会のメンバーの前に立った。
「真澄、朝陽、夕陽。」
けいちゃんが名前を呼びかけると、彼らは怯えたようにけいちゃんをみた。
「君たちは、生徒会を辞任したいのか?」
3人の息を飲む声が聞こえた。
「君たちが、そんなにこの役職から逃れたいのなら……俺はもう止めない。」
けいちゃんは、そう冷たく言い放った後、僕たちの方を向いて頭を下げた。
「__________この件では、風紀委員の皆さんに大変迷惑をかけました。この件に関しては、俺の甘さが引き起こした結果です。」
けいちゃんは、しばらく顔をあげなかった。
「それは、覚悟はできてるってことやな?」
委員長がそう尋ねると、彼は静かに頷いた。
「………はい。責任を取って彼らは全員生徒会から辞任させます。」
けいちゃんの声が、静かな空間に響いた。
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