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6章 I am worthy of you
「お願い、どんな手をつかってくれても構わないから。」
瞳がこぼれ落ちそうなほど大きな眼から、雫が溢れ溶けていく。
ぽたぽたと落ちるその雫が地面を濡らすのを、あぁ、勿体ないな_____なんて思いながら眺めていた。
「もう、耐えられないんだ。あの人があいつに汚されていくのが……。」
貴方の泣き顔を見ると胸が痛かった。こんなに美しい人に愛されているのに、あの人はなにも思わない。俺はそれが歯痒かった。
自分が貴方とどうにかなろうなんて思っていない。どうか幸せになってほしい、と切に願うだけだった。
_____ただ、それが無理ならば、
泣きながら唇を噛み締める、貴方をそっと抱きしめた。
「俺が全てなんとかします。」
貴方のために”ここ”に入ったんだ。死ねば諸共。俺は貴方と共に。
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