6章 I am worthy of you

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 「今日から、新入生歓迎イベントを始めます。皆さんこの3日間思う存分楽しんで下さい。」  「「「おおおおおおお!!!」」」  けいちゃんの号令と激しい雄叫びで始まった宿泊研修。 毎年、我が清峰学園では3日間の宿泊研修を行なっている。内容は毎年異なり、今年に何を行うのかは生徒会側以外誰もわからない。  また3学年合同のイベントなので、一般生徒にとっては憧れの先輩や可愛い後輩と近づけるチャンスでもある。  僕は、けいちゃんの横に立っている生徒会メンバーたちを見て眉を顰めた。  いかにも「僕らが全部やりました!」といったようにニコニコ笑いながら生徒たちに手を振っている。ほんと、どんな神経してるんだろ。少し恐怖すら覚えるレベルである。  あの後、悠里が生徒会の仕事を積極的に行うようになったことで、生徒会は一時的に立ち直った。 だけど、けいちゃんは顔色も悪くて、今も具合が悪そうだ。  ___________、やっぱり無理したんだろうな。なんて思いながらぼーっと前を見ていると、気づいたら自由時間になっていたようだった。  「おい、千花、なに突っ立ってんだよ。行くぞ?」 貴人は不思議そうにこちらを見る。 _____あぁ、この3日間が平穏に過ぎますように。 僕はそう願わずにはいられなかった。
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