6章 I am worthy of you

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 今回の宿泊研修先は沖縄だ。流石は清峰学園。宿泊研修ですら、妥協を許さない。  1日目は、海で泳いだ後に班に分かれてバーベキュー。2日目は、山でアクティビティをした後に肝試し。3日目は、自由行動らしい。  自由時間以外は各学年で2人ずつ、計6人の班になって過ごす。だから、普段はお目にかかることができない生徒会のメンバーや風紀委員のメンバーと同じ班になれるかもしれないので、皆班分けにはソワソワしている。  僕はあまり人付き合いが好きではないので、班に分かれる作業が憂鬱だった。普段の生活では貴人が常に隣にいるため苦労することがなかったが、この研修のチームに彼はいない。つまり、自力で乗り越えなければならないのだ。  メンバーの発表にそわそわしながら、海で遊ぶことになりそうだ。  海も海で、碌なことはない。自由時間であるため貴人と共に行動できるものの、他の生徒からの視線が痛い。海では露出が多くなるため、変態たちを刺激してしまうのだ。  僕はもちろん、貴人からの「半裸禁止令」が出されているためTシャツを脱ぐことは許されていない。変な気を起こす変態を少しでも減らすためである。だが少し切なくなる。僕はれっきとした男なのに、なぜTシャツを着なければいけないのか。  なんだかむかついたので貴人にジュースを奢らせた。僕は悪くない。
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