出逢い

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出逢い

私はごくごく普通の女の子。  特別可愛いわけでもなく、綺麗というわけでもなく、どこにでもいるような一般女子。 (心の中ではちょっと可愛いかもって思ってる) いまは彼氏はいないけど、もてないわけでもない。それなりに何人かと付き合ってきた。でもいつも私は[この人のことが好きなのだろうか?]と思ってしまう。 そんな私が本当に人を好きになってしまう。 と言う物語りだ。 「樹璃亜、おはよーう」 「あっ、恵美おはょってかその髪どうしたの?」 「今度の彼氏は美容師だからやってもらった」 「そうなんだ。えっ!!  裕樹君とは別れたの?」 「何言ってんのよ。もう1ヶ月も前だよ(笑)」 忘れていましたが、私は水瀬樹璃亜19歳看護学校に通う2年生。未来のナイチンゲールなのだ。 dc516b87-9e89-4a12-81cc-118a3f5cd2b8 恵美はめっちゃ綺麗な女の子。 合コンでもモテモテの女子だかなぜか私の大親友。 入学式で出会ってすぐに仲良くなった。 「ねぇ〜今年の夏は実習地獄だから、終わったらどっか行こうよ。樹璃亜〜」 と言いながら私の肩を揺らす。 「あ〜すっかり実習の事忘れてたのに…悪夢にうなされるぅ〜 でもどっか行きたいよね」 「じゃあ。何処がいいか、考えといて」 「OK!! 恵美は行きたいトコないの?」 「いっぱいありすぎてわかんない」 「なにそれ(笑)」 いつも笑いの絶えない話も尽きない二人でした。 恵美は中学生の頃からモデルをやっていて、 雑誌にもちょこちょこ出ている有名人。 でも昔から看護師になりたくてこの学校に来たらしい。 私は何となく、親の勧めもあり来たくち。 なんにせよ、私達は看護師の卵ちゃんなのだ。 0006fff4-d621-4ee7-947a-b758168bac8c 〜放課後〜 「樹璃亜、また明日ね。後でLINEするね。」って言いながら彼氏のお迎えの車に乗って帰って行った。 あれが新しい彼氏かぁ〜。結構イケメン♫ 恵美にはお似合いかもね💕 あっ!! バイトに遅れちゃう〜。 「おはようございます」と入っていくと 「水樹さん、今日からバイトに入ってもらう橘君。色々と教えてあげて」 そこには金髪の男の子が立っていた。 0e848bee-19ae-4d78-868c-66554e385996 高校生なのかなぁ〜 「店長〜私がですか?」 「水樹さんは高校生の頃から働いてるから、社員より仕事できるから大丈夫。宜しく頼むね。私は本部に呼ばれてるから後はよろしく」と言って出かけて行った。 なんで私なのよ(#^ω^) と思いながら彼を見ると 「よろしくお願いします」 とキリッと頭を下げられた。 ちょっと意外な感じだったのでびっくりしてしまい 「あっ!! よろしくね」 と言いながら更衣室に入る。 着替えて 改めて 「私、水樹です。橘君よろしくね。先ずは基本的な事から教えるから」と言うと 「はい。水樹先輩!! よろしくお願いします」 と頭を下げる。 うぁ〜チャラ男かと思ったけど、体育会系かぁ!? どっちも苦手だなぁ〜 もう〜店長ったら私はバイトだっていうのに(#^ω^) あ〜憂鬱。 「水樹先輩!! これはどこにおきますか?」 「橘君、その水樹先輩って言うのは…やめようよ」 「でも先輩ですから…」 うぁっ!! キリッとした笑顔はなんだ。 早く帰りた〜い。 〜帰宅後〜 今日はめっちゃ疲れた〜。 お風呂に入りながら あの彼は何なんだろ!? 見た目はホスト系なチャラ男で中身は体育会系。 先輩先輩ってうるさいし… でもかなりのイケメンだったなぁ〜 うぁ〜何考えてるのと思いながら湯舟に潜る。 ぷぁっ〜苦じ〜い… ♫〜 《樹璃亜、起きてるw〜》 恵美からのLINE 〈起きてるよ。今お風呂から出たトコ〉 《明日、バイト休みでしょ?》 〈休みだよ〜〉 《じゃあ、明日放課後付き合って》 〈いいけど、何かあるの?〉 《お楽しみ〜♪明日ね。お休み〜🖐️🏼》 〈おやすみ〜〉 なんだろう?? めっちゃ気になるけど… 今日は何だか疲れたから寝ようっとzzz 〜翌日の放課後〜 「よ〜し。授業も終わりっ。樹璃亜行くよ」 「恵美、行くって何処へ?」 「いいから、黙って着いてきて」 そう言って笑顔を見せる。 「もう〜強引なんだから」 校門前には恵美彼氏が待っていた。 「そうだ。まだちゃんと紹介してなかったね。ヘアーメイク担当の昂樹。一応、お付き合いしてまーす。」 「樹璃亜ちゃん、いつも恵美から話は聞いてるよ。宜しくね。」 と言って手を出した。 「あっ!! 宜しくお願いしまーす」と頭を下げた。 「まぁ〜話は後でゆっくりとね。遅れちゃうから急ぐよ」 「恵美、遅れちゃうってどこ行くの?」 「着いてのお楽しみ〜」 と言って昂樹の車に乗り込んだ。 着いた所は… お城みたいな別荘だった。 撮影のスタッフさんらしき人が何人かいるようだった。 d449a5c1-9ab2-443b-8366-0d4ee7ab460a 恵美は 「樹璃亜、昂樹にメイクしてもらってね」 と言ってスタッフさんらしき人の所に走って行った。 私は何がなんだかわからず、ボォーっとしてると恵美の彼氏の昂樹さんが  「樹璃亜ちゃん、ここに座って」 と言うので言われるままに座った。 「じゃあメイクするね」と言われ 「あっはい」 と言ってしまった。 人にメイクしてもらうのは初めてで、めっちゃ緊張していると、 恵美が戻って来て 「樹璃亜、可愛い。イイよ」 と話しかけてきた。 鏡の中の私は今まで見た事もない私に ちょっと可愛いかもって思ってしまった。 「恵美、いったい何なの」 「撮影だよ」 と悪戯っぽい笑みを浮かべた。 「撮影って何?」 「親友とのダブルデート」 ???? 「親友とのダブルデートの設定だから、樹璃亜とやりたかったんだよ。でも最初から話すと絶対断られるから強硬手段。(笑)」 「えっー私無理だよー。」 「大丈夫、普通にしていれば大丈夫だから」 「ホントに無理だってば」と言うと、 恵美が 「紹介するね。モデルの翔太。翔太が樹璃亜の恋人役ね」 振り向くとそこには 「えっ、橘くん?」 「水瀬先輩、恵美さんの親友だったんですね」 とびっくりしたような笑顔を見せる。 「何、樹璃亜と翔太は知り合いだったの? なら話は早いね」 「最近、バイトに入った新人君だよ」 「あ〜チャラ男風の真面目な子ね。翔太の事たったんだ(笑)」 とケラケラ笑いだした。 「恵美さん、それなんですか?」 「樹璃亜がね 」 「恵美、もういいから黙って」 「教えて下さいよ」 「橘くん、何でもないから気にしないでってかモデルさんだったの?」 「はい。今はモデルやってますけど、役者希望なんですよ。バイトも初めての役が居酒屋の定員たったので、勉強の為に経験しようかなと」 「そうだったんだ」 「先輩が恵美さんの親友ってびっくりですよ」 「だからその先輩はやめて」 そろそろ始めよーうかとスタッフさんが声をかけてきた。 「恵美〜、ホントに私無理だよ撮影なんて」 と恵美言うと、 大丈夫ですよ。今みたいな感じでとスタッフさんに声をかけられる。 せっかくだから楽しもうと心に言い聞かせるた。 〜撮影が始まる〜 恵美と橘くんに助けられながら撮影が進んでいく。 橘くんと二人のシーン 庭園を歩きながら 「実はさ〜あの店は叔父さんの店なんだ。 叔父さんは若い頃、舞台俳優やっていて結局ダメで辞めたんだけど、役者やミュージシャンの卵達が自由にバイトできるようにってね」 「そうなんだ。えっでもこの前本部に行くって」 「あれはでまかせだな(笑)」 笑い顔もかわいいなぁ〜 あっ何考えてるんだ私。顔が赤くなってきた。 「先輩は高校生の頃からバイトしてるんですよね?」 「だから、その先輩はやめてよ」 「じゃあ、なんて呼べばいいですか?」 「水瀬でイイよ」 「じゃあ水瀬さんで」 遠くて見ていた恵美達はあの二人何かいい感じだよねと話していた。 「うちは父が小さい頃に亡くなって、母が女手一つで私を育てての。だから小遣い位は自分で稼ぎたいなって。でもね。母は学生時代は好きに過ごしなさいって言うんだけどね。 うちの母、結構有名人で料理研究家とか言ってて…河原みのりって聞いたことある?」 「えっー!! あの河原みのりが水瀬さんのお母さん!!」 「やっぱ知ってたか…」 「知ってますよ。最近は毎日TVで見ない日はないですよ。河原みのりは。あっ!!呼び捨てにしてすみません」 「全然大丈夫(笑)」 「でも名前違うんですね」 「河原は母の旧姓なの。結婚前から料理研究家だったのでそのまま旧姓でやってるみたい」 「じゃあもしかして水瀬さんのお父さんって、写真家の水瀬孝太郎ですか?」 「そう。父の事も知ってるんだ」 「うちの父が大学の憧れの先輩で凄い写真を撮るってよく話していました。」 「橘くんのお父さんも写真家なの?」 「いゃぁ〜うちの親父はそこら辺の雑誌のカメラマンですよ。それがきっかけでモデルをやり始めんですけどね(笑)」 「俺、帰ったらすぐに親父に話そう。憧れの先輩の水瀬孝太郎が、知り合いのお父さんだって、あっ!! また呼び捨てしてすみません」 「いやいや、そんな事は気にしなくていいよ」 「何か私達、小さい頃に会っていてかもね」 「俺、写真さがしてみます」 「私も(笑)」 あまりにも偶然な出会いに、すっかり昔からの知り合いのように感じていた。 はーい。終了でーす。とスタッフさんの声が聞こえた。 恵美の所に戻ると 「樹璃亜と翔太、何かいい感じだったね」 と言われあわてて、父親が知り合いだったと話す。 恵美は 「ふーん」 と怪しげな目で私を見てにっこりすると 「付き合っちゃえば」 と言った。 「何言ってんのよ。まだ高校生よ」 「そんな事、気にするんだ。樹璃亜は」 「じゃあ高校生じゃ無かったら付き合うわけ?」 「会ったばかりなのに、そんな事考えられないよ」 「人を好きになるって時間とか関係ないじゃん(笑)」 「私は恵美と違うんだから…」 「それ、ひどーい。」 「ごめんm(_ _;)m」 「(笑)」 恵美と笑いころげた。 家に帰り、アルバムを見ていると母が 「とうしたの? 古いアルバムなんか見て でも懐かしいわね。樹璃亜もこんなに小さかったのに」 「はい。はい。こんなに大きくなりました」 すると母が写真を見ながら 「わぁ〜これ懐かしいわ。よくお父さんの後輩が遊びに来ていてその息子さん。もう大きくなったわよねぇ〜」 「お母さん、もしかしてその人って橘さん?」 と母に聞くと、母は驚いたようで 「えっ!! そうだけど、なんで知ってるの?」 写真をさして 「この子が今高校生で最近バイトに入ったの。モデルやっていて恵美とも知り合いなんだ」 「あら、そうなの。今度遊びにいらっしゃいって言っといてね。楽しみだわ」 すっかり母は会う気のようだ。
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