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後から聞いた話ですが、真奈美の家族は借金を苦にして一家心中をしたそうです。
真奈美が住んでいたアパートから練炭自殺をした真奈美と真奈美の両親が見つかったのです。
今思い返すと、真奈美は学校にも家庭にも自分の居場所がなくて、苦しんでいたのかもしれません。
真奈美がノートに書きなぐっていた『殺す』という文字は、誰に向けられて書かれた言葉なのか、ハッキリとはわかりません。
でも、真奈美が殺したい相手の一人が私であったのは確かです。
真奈美の幽霊が現れたあの日の夜に、私は氷のように冷たい二つの手から強烈な殺意を感じていたのだから。
もしかしたら、人は言葉に出さずに、殺意のこもった深い憎しみを心の中に隠しているのかもしれません。
いじめられっ子だったあの真奈美ですらそうだったのですから。
あなたは誰かの恨みをかっていませんか?
気をつけて下さい。
ほら、あなたの後ろに憎しみを抱えたあの人が立っているかもしれませんよ。
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